名前のない新聞 1975.4.25号
ナナオからドン亀島(むかしむかしの
北アメリカ大陸)の兄妹姉妹たちへの手紙
(ミルキーウエイキャラバン特集)
こちらは荒廃してゆく日本列島一一80年前、消えちまったんだよ日本狼が! 旧約以前の屋久杉を林野庁がブッタ切ってんだよ! 日の出、日の入り、僕は歌うカヨーテの聖歌を! “もどって来い狼たちよ! もどって来い原始林よ! 偉大な精霊よかえって来い! “そうだ、今から僕を、カヨーテ・ナナオと呼んでくれ。
ヤマハ:侵略はつづく。夏の半ばまで滑走路を完成させたいらしい。だがスワノセは火山灰の流砂。この壮厳で神秘の窓口、いつバベルの塔が建つのか? 開発という名のみにくい偽善には悲しみと破壊の“みなわ”を残すだけ。 だから、もっともっと多くの雨を………。
ヤポネシア:日本を飛び越えよう。するとヤポネシアが見えてくる。時間、空間、意識に限定されず絶えず脈打つ巨大なハート一一第4世界。 40000年、西太平洋につながる花の島々、そして僕ら自身の現実に焦点を合せよう。この新しい地図のために……。
★黒潮とその流域。環太平洋火山帯。颱風のけもの道。
★民族生物学ー一生物(植物、動物、人間)の分布と移動。神話の地層。農漁業。近づいてくる文化。
★野生と生態学。共同体へ。悟り。このヤポネシアマンダラは、君のように、想眼力とは運命だと承知している人々一一たとえば詩人、アーティストに十分な余白を残している。
ヤポネシアキャラバン'75:聖者ガンジーの後継者ビノバ・ヴァヴェは貧しい人々のために、土地の寄捨を求めて6万キロ以上を歩きつづけた。4月から9月にかけて、沖縄から北海道までのキャラバン、そしてもうひとつのウッドストック。日本の山岳地帯を僕自身も歩き通すだろう一一12世紀、チベットの詩人ミラレパを連れて。これはすごいことになるよ。きっと。コンミューンに歩みを止めよう。野生と神聖の大地で座ろう。働きに働きを重ねよう一ー自然の側に立つ戦士として。もしこのキャラバンに参加したい若ものがアメリカにいたら、ぜひどうぞ。僕は、僕らのウッドストックのために或る日本語を思いついた。“ひこばえ”切株から芽ばえる若木。“ひこ”は太陽の息子、“ばえ”は成育を意味する。瀕死の日本一一しかもヤポネシアは太古の切り株からよみがえってくる聖なる不死鳥!
太平洋の波の彼方に、僕の魂は、君の顔を、そして背後に、褐色のはだ、瞳明るい、柔和で、エネルギッシュな数百万の若いアメリカ人の顔を見守っている。この手紙が、どんがめ島の兄弟、姉妹たちへの愛の橋となりますように。
では、すばらしい春を!
カヨーテナナオ
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