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13の月の暦の提唱者

ホゼ&ロイディーン・

 アグエイアス夫妻

  へのインタビュー

名前のない新聞No.85(1997年9月発行)より


 前号の新刊書紹介コーナーでも13の月の暦について紹介したが、この暦の提唱者であるホゼ&ロイディーン・アグエイアス夫妻が7月下旬に東京で国際会議を開くために来日されていたので、急遽インタビューさせてもらうことになった。
 13の月の暦について簡単に復習すると、現在のグレゴリオ暦は自然のリズムに沿ったものではなく、時の権力者の都合で人工的につくられた暦である。それに従って生活することで人間はどんどん自然と分離してしまい、結果的に環境問題をはじめとするような様々な問題を抱えてしまった。そのため、正確に自然のリズムに沿った13の月の暦(1カ月が28日で1年に13カ月ある暦)を使うことで人間の生活・文明に自然のリズムを取り戻し、意識が変革され、現代文明の抱える難問も解きほぐされるというのが、アグエイアス夫妻らが提唱している13の月の暦の平和運動だ。また同時に、現在使われている12/60という時間のはかり方は本来は空間を分割する尺度なので、それを使うことで時間に縛られてしまう。ミヒャエル・エンデの『モモ』のお話ではないが、時間泥棒がこっそり自分の時間を盗んでるんじゃないかと思うような忙しさの中で生きている人は多いだろう。もし時間に縛られない自由な生き方を望むのなら、この13の月の暦は私達の生を刻む時間や暦について改めて真剣に考えなおすきっかけを提供してくれているのではないだろうか。(インタビュー・文責:浜田)

      〈J:ホセ、R:ロイディーン、高:高橋=通訳、*:編集部の注〉
                       


J ●私達がいまいる時代というのは、文明の大周期と呼ばれるものの終わりの時期であり、また人間の進化の一つの区切りを迎えようとしているところです。ところがこのままいくと人類は破滅しかねないので、私達のライフスタイルを根本的に変革しなければ、未来に向かって生き延びることは出来ないでしょう。
 私達がグレゴリオ暦とか機械時計という人工的な尺度によって生かされてきているというのは、今までだれも気付かなかったことです。そこでまず、現在の人工的な生活様式・文明様式を変えて、自然から逸脱しない状態に戻す必要がある。そのための最初のステップとしてまず暦を変えなければならない、ということなのです。
R●私達が人工的な時間の中で生きている限り、私達が本来持っている自然な性質に対して、自分自身が闘いを挑んでいる、あるいは対立しているような状態となっている。ということが私達の運動の前提です。
 その影響によって今の環境問題とか様々な社会の問題が出てきているので、それらを解決するためにもまず暦を代える必要がある、ということですね。
J● 環境問題をとりまく状況は良くなっていないばかりか、むしろ悪くなっています。それは政治に一つの原因があり、国際政治は先進諸国のG7と関連づけられますが、私達はこのGをグレゴリオ暦のGともとらえており、グレゴリオ暦を使っている文明が持続している限り、現在の政治も経済も変化することはなく、状態は悪くなるばかりだと思います。まず政治や経済など全ての根幹にある暦自体を代えていかなければならないという結論に達しています。

 グレゴリオ暦が自然のリズムにのっとっていない、人工的につくられたものだというのは解りますが、日本でも昔から使われてきた太陰暦は自然のリズムに従ったもので、今でも行事などに残っています。それに戻る方が新しい暦をもってくるより抵抗がないと思いますが。

J● 太陰暦は十分ではありません。というのも、現在太陰暦を使っている人たちは、同時並行的にグレゴリオ暦を使っているからです。そしてそのグレゴリオ暦は支配的な文明のカレンダーであり、思考の枠組みを支配しているのです。
 ポイントは、グレゴリオ暦がホンモノではない偽りの太陽暦だということです。太陰暦というのは1年の太陽のリズムに合わないもので、月の満ち欠けの29日半のサイクルに合わせて作られています。そのために太陰暦で12カ月がたつと、1年が365日の太陽暦と比べると、約11日ほど短くなってしまって、太陽のリズムに合わないのです。
 グレゴリオ暦は地球社会の構成員であるほとんどの国で使っている太陽暦ですが、不規則で正確なものではありません。それに対して13の月の暦は、正確さをもった太陽暦であり、同時に太陰暦の月のリズムともシンクロさせる働きを持っています。太陽のリズムと月のリズムの双方にかみ合う13の月の暦を使うことによって、別の意識の状態に到達するために、正確にトレースしていくことが必要なんです。

 いきなりグレゴリオ暦を捨てて、13の月の暦だけで暮らすことは、ふつうの社会生活をしている人には難しいんじゃないかなと思います。

J ●そのために、いま作っている13の月の暦にはグレゴリオ暦の表示も入っています。私達は今後の3年間くらいは移行期間として考えており、どちらも365日の暦なので対応させることができます。これは自転車の補助輪みたいなもので、13の月の暦への移行が簡単にできるようにつけました。2000年以降はその補助輪をはずしていけるんじゃないかと思っています。
 また私達は13の月の暦と、もうひとつの260日の4次元的な周期の暦(*マヤの暦にルーツを持つもの)とのシンクロを並行して考えています。13の月の暦を使うことによって、こんどは4次元的なサイクルと同期しはじめて、それが意識を引き上げていくことにつながります。それはグレゴリオ暦では決して出来ないことです。

 これは高橋さんに伺いたいんですけど、13の月の暦をつかうことで、どんなふうに意識が変わってきたんでしょうか。

高橋●感覚が少し変わってきたなと思います。僕は以前は泣かないタイプだったんですけど、テレビとか見てても感情的に涙もろくなってきたり。それから外の景色とかあまり眼に入らなくて自分の個人的な世界に生きていたのに、最近は夕日がすごくきれいに見えたり、空を深く感じたりとか、自然に対して自分が開かれてきたような気がしますね。それと生活をシンプルにしたい衝動が出てきてます。これまでは鈍感で気にしてなかったのに、物がゴチャゴチャたくさんあることが気になったり、自分にとって本当に必要な物や大切にしたいものは何だろうかと考えたり、どうでもいいことにたくさん囲まれている自分に気が付くようになりました。
J● 実際に生じる変化というのは、身近なことでは自然で有機的な体の状態というのがどういうものか気が付きやすくなったり、自分の時間、自分の持っている時間という感覚が出てきてそれをどう使うかということを考えるようになります。またそういった個人的な事だけではなくて、政治的な意味あいなどいろんな面に反映していきます。
 面白いことに、13の月の暦を使い始めた人の世界的な傾向として時計をはずすようになります。
R●時計を外すようになると、内面的な直感とかが自然と出てくるようになるので、今までは外の時計に頼っていた部分から自分自身でちゃんと時間にぴったり合うようになってくる。かえって時計に頼っていた時よりも時間に遅れないようになることがあります。

 現在一般に使われている12/60の時間では1日が24時間で1時間は60分‥‥というふうに分けられていますが、13/20では1日はどうなるんですか?

R●時計の時間(12/60)は私達を機械化してしまって、細かく分割された時間感覚を意識させるのに対して、13/20の時間では私達を自然の方に戻す働きがあるので、例えば昼が来て夜が来てというふうな日毎、季節毎の自然の現象に焦点があたるわけです。
J ●私達もハワイで暮らしていたことがあります。夜、星を眺めると1日の中や1年の流れの中での星の動きについてよくわかるようになります。また昼間であれば太陽の影からだいたいの時間がわかります。これらのものの方が時計の時間よりもはるかにきちんと時間を刻むものです。ではなぜ今、時計の時間に左右されているかというと、時計がまず最初にあって(*400年ほど前に作られた)、その時計が機械を作り、機械がまた私達に時間に従いなさいと命令するような流れが生じているのです。だから私達が時計の時間を意識せざるを得ないようになっているのです。(*コンピュータの2000年問題はいい例かもしれない)
R●大切なことは、私達が時計に従っている限りは、自分たちが本来持っているテレパシーとか直感力とか、自分自身が感じとる働きを弱め、遮断してしまっているということです。唯一、時計をはずすことによってしか、自分の体を通して時間そのものになるという感覚が開発されません。人間は時計に従ってきたからこそ、自然と切り離されるようになってしまったわけです。
高橋●だから僕たちは1日をそれ以上に細かく分けないんです。24時間って誰が決めたんだ?て話で、たとえば12時だからご飯を食べなきゃということじゃなくて、おなかが空いたら食べるという方になるべく近づけようということです。

 著書では近未来の地球規模の異変について書かれていますね。

J ●私達はこのままの状態で特別に大きな変化を起こさずに進んでいくとすれば、大きな危機的状況がやってくることは必然的なことだと思います。お金を生み出すための現代のテクノロジーでは、問題を解決できずにさらに状況は悪くなるでしょう。しかし暦を代え意識を変えることで ,これまで心の中に隠されていた秘密の武器というものがめざめていくでしょう。それはテレパシーによるテクノロジーで、今までの我々の常識から言うと奇跡とでもいうようなことが可能になってきて、有毒廃棄物だとか難病だとか、その他様々な問題を解決していけるようになるでしょう。
 今いくつかの選択肢があります。単純な運命論者になって、このままのテクノロジー文明がつづくしかないと考えることもできるし、もっと英雄的な運命論者になってグリーンピース等のような活動をすることもできます。もう一つはシステム全体系の観点を学んでそれによって暦を代えたりするような方向を選ぶこともできる。いずれにせよ、もう何も失う物は残されていないので、何を選べばいいのかという最終段階にきているわけです。
 最近NASAの宇宙船「マース・パスファインダー」が火星を探査し、新聞の一面の見出しに「火星には過去に水があった」と載っていましたが、それと同じ事が50万年くらいたった後の地球で言われるようになるかもしれません。



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